外部化する建築
外気のままにある建築空間に関心を持ってきた。
私の言葉としては「構築された外気の空間」と称している。
普通の認識として建築空間といえば具体的な内外の境界があり内気の場である。
一方、建築空間でありながら空気の状態は外である場、そのような空間は伝統的に日本の空間にあることは周知の事である。
深い庇の下や、下屋とよばれる軒先に柱がありその内側で庇よりもより奥行きの深い中間的な領域で、その時の意識次第で内部的とも外部的とも感じられる「縁」の空間がそれである。アジアの多くの地域、とくに高温多湿なモンスーン地域に属する場所には「自然と共にある生活領域」として不可欠な普遍的空間である。欧州のように寒い国にあっても外気の空間を楽しむロッジアとして、あるいは中庭に面する外気のままの回廊として古くから建築化された特別な場である。 翻って現代の日本の日常的に体験する場に、この「構築された外気の空間」がいかに少ない事か。
外気と触れあい自然の意義を文字どおり体で感じる事を忘れている今日の人々の生活意識がある。そのことを如実に感じるのは、車窓からみる田